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税理士コラム column

2022年10月19日

副業収入300万円以下

  • 所得税

1.副業収入等にかかる改正所得税基本通達について

令和4年分以後の確定申告から影響を与える所得税基本通達(以下、「所基通」といいます)が、令和4年10月7日に『副業収入の所得区分等に関する「所得税基本通達の制定について」の一部改正について(法令解釈通達)(課個2-21他2課共同)』等を公表されました。

皆さまの関心が強いのは、副業収入が300万円以下の場合、どのような要件を満たせば、事業所得に該当すると判断できるのかという点ではないでしょうか?

所基通35-2(参考資料①)を読み解き、副業収入が300万円以下の場合に、事業所得に該当するかどうかを端的に記載いたしますと以下のようになります。

原則は、所得を得るための活動が、社会通念上「事業」と称するに至る程度で行っているかどうかで判定することになります。

その判定を原則としたうえで、「その所得にかかる取引を記録した帳簿書類の保存」があれば、概ね事業所得に該当することを示しております。

「概ね」と記載したのは、実は、さらに細かな要件があるからです。

改正通達と同時に公表された「雑所得の範囲の取扱いに関する所得税基本通達の解説」(参考資料②)の3ページ目に記載があります。

そこには帳簿書類を保存している場合であっても、

①その所得の収入金額が僅少と認められる場合

②その所得を得る活動に営利性が認められない場合

上記2つに掲げる事項に該当する場合には、事業に該当するかどうか個別に判断することとなるとしております。

①の例示として、収入金額が例年300万円以下で、主たる収入に対する割合が10%未満の場合が「僅少と認められる場合」に該当するとしております。

②の例示として、所得が例年赤字で、かつ、赤字を解消するための取り組みを実施していない場合が「営利性が認められない場合」に該当するとしております。

つまり、まず帳簿書類の保存があって、収入が主たる収入の10%以上あって、副業収入に係る所得が例年赤字でない場合は、事業所得に区分されると考えてよいと読み解くことができます。