①帳簿 ~ 雄弁な語り手 ~
法人の申告や個人の事業の申告で重要になるのが「帳簿」です。
相続税の申告で言うところの被相続人に係る資料に相当するものです。
帳簿は、会計に係る証拠書類であり、将来の指針となる重要な羅針盤となり得るものです。
帳簿は、ただ作ればよいというものではございません。
帳簿は、お客様自ら作成することに価値がございます。
何の価値かと申し上げると証拠資料としての価値です。
事業者の下に、税務署の調査が来ることがあります。その際に帳簿は重要な証拠となりますが、その証拠能力を高く保つために、帳簿が事業者自らの手により、適時に、網羅的に、適正に作成されている必要がございます。
事業者自らの手で作成することで、適時に網羅的に適正に帳簿を作成することができるのです。私どもの事務所でも、記帳代行は行いますが、この場合は適時に帳簿作成を行うことができなくなります。なぜなら、請求書や領収書を1か月、6か月または1年単位でお預かりして帳簿を作成しますので、適時に作成できないのです。このような帳簿は、当然のことながら適時性は認められませんし、網羅性についても、漏れがあってもそれを追求することが時間的に難しくなることが予測されますので、この点でも問題があります。
しかしながら、最初から帳簿の作成ができる事業者の方は殆どおられません。私どもの事務所は、はじめの1歩からお客様に寄り添い、最終的にはお客様自らの手で帳簿を作成(自計化)できるようご指導させていただき、月に1度必ずお会いし、その帳簿を確認し、毎月締めていきます。年間を通じて当該方式を貫きますので、起業1年目の方も、ベテラン経営者の方も同様に、常に最新の正しい帳簿がお手元にあることになります。
そのような帳簿は大きな武器となります。現在新型コロナウイルス感染症により、各種の助成金、補助金、借入手続き等を行う機会が増えていると思いますが、それらの手続きを行うためには、直前の帳簿が必要になります。自計化を進めることで、高い証拠能力のある帳簿をお客様は手にすることができるのです。
そして最新の帳簿の正確性を担保するのが、私どもが毎月1回お客様とお会いして行う月次の監査です。月次の監査を第三者の目である私どもが行うことで、帳簿の正確性・網羅性・適切性を担保し、帳簿の信頼性を更に高く保つことになります。そのような品質を高く保った信頼性を持った帳簿は、税務調査の場で力を発揮します。言葉を発せずとも、信頼度の高い帳簿は税務調査の場で、十二分に雄弁に語り、その内容は、事業者を有利な立場に導きます。
所長・税理士 植田 浩行
税理士法人Dream24福岡支店